急に親が要介護に?介護保険の申請タイミングと民間保険で備える方法

老親が要介護になる原因には、脳卒中や骨折などもあり、「突然の介護」となることも。急な介護に備えて知っておきたい保険申請のタイミングや対応方法、民間保険の活用について解説します。
要介護になる主な原因
全体の3~4割を占める脳卒中・心臓病・骨折
厚生労働省の統計によると、65歳以上で要介護となる原因のうち「脳卒中」「心臓病」「骨折」の3つが、全体の3割~4割を占めます。
いずれも発症や事故のタイミングは予測が難しく、健康に生活していた親が突然入院し、そのまま要介護状態になるケースも珍しくありません。
認知症と異なる「突然の介護」リスク
要介護の原因として多くの方がまず思い浮かべるのは「認知症」かもしれません。しかし認知症は進行が比較的ゆるやかで、家族にも準備期間があるのに対し、脳卒中や骨折は一晩で状況が一変することもあります。
つまり、親が「急に要介護になる」リスクは誰にでもあり、特に働き盛り世代の子世代にとって大きな生活変化をもたらす要因となります。
こうした場合、家族にとって最初の大きな課題は「退院後どうするか」という現実的な問題です。
介護保険の申請タイミング
入院から介護への一般的な流れ
介護が必要になるケースでは、次のような流れをたどることが一般的です。
- 倒れてすぐ~約1か月:急性期病院で治療
- 6か月以降:自宅または介護施設での生活
- ~6か月:回復期リハビリテーション病院でリハビリ
この時点で必要になるのが介護保険の申請です。退院後の生活にスムーズにつなげるためには、早めの申請・準備が欠かせません。
入院中に申請はできる?
「まだ入院中だから介護保険は使えないのでは」と思う方も多いですが、実際には入院中から申請することが可能です。入院先の病院に医師の意見書を作成してもらい、要介護認定を受ける準備を進められます。
退院直前になって慌てて申請すると、介護サービス開始までに数週間の空白が生じることもあるため、できるだけ早めの手続きがおすすめです。
介護保険の申請はいつから?
介護保険は原則として65歳以上で利用できますが、40歳以上で特定疾病がある場合にも対象となります。申請はお住まいの市区町村の介護保険課で行い、認定調査や医師の意見書を経て「要介護度」が決定されます。
申請から結果が出るまでに通常1か月程度かかるため、退院後の生活を見据えた早めの申請が重要です。
施設探しの現実と選択肢
特別養護老人ホームの入居待ち問題
費用負担が比較的少ない特別養護老人ホーム(特養)は人気が高く、入居待ちが数か月から数年に及ぶ場合もあります。要介護度が高い方ほど優先されるため、すぐに利用できるとは限りません。
有料老人ホームの費用負担
一方、有料老人ホームは入居しやすい反面、月額費用が高めに設定されています。入居一時金や月額利用料を含めると、年間で数百万円単位の出費となることもあり、家計に大きな負担を与えます。
早めに情報収集する重要性
施設探しは早め早めに動くことが肝心です。親が入院している間に候補施設を見学したり、ケアマネジャーに相談したりしておくことが、退院後の生活を安定させるポイントになります。急に探し始めると選択肢が限られ、高額な施設に入らざるを得ないケースもあるため注意が必要です。
介護費用をどう備えるか
介護保険制度でカバーできる範囲
公的介護保険では、訪問介護やデイサービス、施設利用などの費用を一定割合(1割~3割)負担で利用できます。ただし、食費や居住費、日用品などは自己負担となり、実際の生活費は介護保険だけでは十分にカバーできません。
民間の介護保険の活用
そこで注目されるのが、生命保険会社などが提供する民間の「介護保険」です。これらは要介護認定を受けた場合に一時金や年金形式で給付金が支払われ、介護費用の自己負担分を補うことができます。
特に親が高齢になってからの介護では、突然の費用負担に直面することが多いため、民間保険を活用して備えておくことで安心感が得られます。「親の介護費用保険」として加入する方も増えており、今後ますますニーズが高まる分野といえるでしょう。
まとめ-親の介護に早めの備えを
親が要介護になる原因は、認知症だけでなく脳卒中や骨折など「ある日突然」訪れることも少なくありません。入院から退院、在宅や施設生活への移行には介護保険の申請が欠かせず、申請から利用開始までには時間がかかります。
また、特養の入居待ちや有料老人ホームの高額費用といった現実もあり、公的介護保険だけではカバーできない部分をどう補うかが課題となります。そこで、民間の介護保険を併用して経済的リスクを軽減することが、家族にとって大きな助けとなります。
生命保険のなかにも、介護の費用を保障するものがあります。現在の契約内容に不安がある方や、より効果的な保障プランを検討したい方は、ぜひ一度専門家へご相談ください。
無料相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。